今回は、IBMのマシンについて紹介しましょう。以前はほとんど見かけることのなかったIBMのマシンについても 、最近中古が少しずつ流通するようになってきました。以下マシンの入手とAIXのインストールについて解説していきましょう。
IBMのUNIXマシンは、現在pSeriesという名称で販売されていますが、多分RS/6000といった方がピンとくる方が多いでしょう。 CPUとしては、現在のMacintoshと同じPowerPC系のCPUが使われています。
汎用機の世界ではデファクトスタンダードとして圧倒的な強さを誇っているIBMですが、UNIX業界では、汎用機の世界をUNIXマシンで置き換えていこうという意気込みのSun、HPと比べると、ブランド的には一歩及ばないといったイメージがあります。実際筆者の周囲でもIBMのマシンを単体で導入するといった例は少なく、大抵はホストとの連携などの外部要因で導入している例が多いようです。
IBMマシンのハードウェアに関する情報源ですが、IBMのサイトでは古いマシンの情報を掲載していないので、インターネット上の各種リソースに頼らざるを得ないのが現状です。それも筆者の知るかぎり、日本語のページでここだといえるようなところはなく、必要に応じてWebサイトを検索しています。「43T RS/6000」のように型番の文字を検索キーワードにいれると、比較的ヒットしやすいのではないかと思います。
筆者が知る限り、IBMマシン上では表xx1に示すOSが動作しますが、やはりRS/6000といえば、AIXといった印象があります。
IBMマシンの入手経路としては、他のマシンと同様に
といったものが考えられます。秋葉原の中古ショップでは常時品を置いているところもありますが、数台程度なので、ほとんど選択肢はないといった感じです。とくに、気軽に入手できる5万円以下のモノはほとんど見掛けないのも実情です。そのため、安くあげたい場合はオークションでモノがでるのを気長に待つしかないでしょう。モノが少ないため、価格についてもまちまちという印象があります。
10万円以下で市場に出回っているIBMマシンを幾つか表xx2に示します。これ以外にもサーバ系のマシンが出回ることがありますが、いずれにしても数が少ないのが実情です。
----- 表xx2: 現在入手可能な主なIBMマシン(注xx3) マシンタイプ, モデル名, 大きさなど, CPU, メモリ, ディスク, セキュリティキー, 価格 *7011, 250, スリムデスクトップ, PowerPC601-66MHz, 72p, HD50,SE, あり, 10000程度? *7006, 41T, デスクトップ, PowerPC601-80MHz 72p, HD50,SE, あり, 10000〜30000 7006, 42T, デスクトップ, PowerPC604-120MHz 72p, HD50,SE, 不明, 7248-100/120/132, 43P-100/120/132, デスクトップ, PowerPC604-100MHz〜132MHz 72p, HD50,SE, 不明, 7043-140, 43P-140, デスクトップ, PowerPC604e-166MHz〜332MHz, EDO(*), HD68,FW, なし, 30000〜100000 ----- * = 筆者が実機で確認したもの HD50,SE = 通常のSCSI-2 HD68,FW = 68pin FastWide 72p = 72pin SIMM parityつき EDO = 168pin DIMM EDO-DRAM 60ns ECC付き SDRAM = 詳細不明です ----- 注xx3: 上記の表は、以下のURLの情報などを元に筆者が作成したものです。筆者が現物を確認しているのは限られていますので、他は情報が誤っている可能性もあります。 http://www.mtleasing.com/rs6000.htm http://www.gall.de/sonder.html http://www.compsyscon.com/prod02.htm http://www.s6000.com/models.html -----
現在秋葉やオークションで出回っているものとしては、43P-140シリーズが主流のように思いますが、41Tなどはたまに捨て値で出ていることがあります。
IBMマシンの購入に際して注意することは、本体のセキュリティキーの有無です。古いIBMのマシンには写真xx4のようなハードウェア的なセキュリティキーが付属しています。このキーは、単なるケースのキーではなく、システムの動作モードを規定するもので、例えばこのセキュリティキーで動作モードを変更しないとOSのインストールができません。購入の際にはセキュリティキーの有無を必ず確認するようにしましょう。
----- 写真xx4: 本体のセキュリティキー (08140002.jpg) -----
RS/6000の場合、周辺装置の入手は比較的楽です。まずキーボード、マウスはPS/2ですので、PC用のものがそのまま流用できます。ディスクについても標準的なSCSIおよび68pin Wide SCSIですので、特に困ることはないでしょう。ディスプレイコネクタも新しい機種はVGAです。ただし、古い機種ではSGIと同じ13W3でSync-on-Green(注xx5)ですので、2500円程度のコンバー タとSync-on-Green対応のディスプレイ(注xx6)が必要です。
----- 注xx5: Sync on GreenとはRGBのGreen(緑)の信号線を利用して垂直、水平の同期信号も送ってしまう方式です。筆者が知る限り、SGIとIBMのワークステーションはSync on Greenのようです。 ----- 注xx6: 以前にも紹介しましたがSync on Greenのディスプレイを必要とするPS2 Linuxでのディスプレイ動作確認ページ http://www.ps2linux.dev.jp/monitor.html が参考になります。 ----- やや問題となるのはメモリだと思います。比較的古いマシンは72pinのパリティ付きSIMMで、最近の43Pではやや特殊なメモリが必要です。どちらも現在入手はできますが多少割高なのは否めません。 ○マイクロコードのアップデート RS/6000では、BIOSにあたるプログラムをマイクロコードと呼びます。マイクロコードの最新版は、RS/6000 MICROCODE UPDATES HOME PAGE(注xx7)よりダウンロードが可能です。インストール方法のドキュメントも同じページから参照できますので、マシンが入手できたらとりあえずアップデートしておきましょう。 ----- 注xx7: http://techsupport.services.ibm.com/server/mdownload/ なお、古い機種についてはここに掲載されていないものもあります -----
ハードウェアがなんとか確保できたら、OSの入手とインストールについて説明しましょう。今回もIBMにライセンスについて確認しました。その結果は以下の通りです。
今一つピンとこない点もありますが、AIXの使用権を「譲渡」してもらえば、メディアの有無に関わらず使用は構わないようです。
----- コラム: LEDについて IBMのマシンの特徴の一つに写真xx8のようなLEDの存在があります。LEDはOSが起動するまでの間に利用され、システムがどのような状態にあるかを判断する際に使います。 LEDの数字についての説明は、以下のページなどから取得できますので、うまく起動しない時などはこの数字を参考にして、トラブルシューティングを行なってください。 http://www-901.ibm.com/tw/support/ask_os/aix_50.html http://www.pimpworks.org/ibm/aixled.html ----- 図xx8: LED (08140029.jpg) -----
AIXは通常プリインストールの形で出荷されていますので、おそらく入手したマシンにはAIXがインストールされていると思いますが、新しく再生する意味でもメディアがあれば再インストールしたいところです。ということで、以下新しいディスクにAIX 4.3.3をインストールする場合を例にとって方法を説明します。なおディスプレイが接続されている前提で説明しますが、キーボードが接続されていない場合はシリアルポートをコンソールとして利用できますので、シリアルコンソール経由で利用することとして、キーボードやディスプレイは利用しないという運用も考えられます。
それでは実際の作業に移りましょう。セキュリティキーがあるタイプのマシンは、キーの位置を「Service(工具のマーク)」にした上で(注xx9)CD-ROMにOSのメディアを入れて電源をオンすることで、自動的にCD-ROMからの起動が始まります。
----- 注xx9: キーがない場合は、ケースをあけてキーにつながっている信号線をハード的に細工すればなんとかなると思いますが、筆者は試していません。ちなみに信号線をまるごと抜いてしまうとNormalモードになるようです。 -----
新しい43Pなどのマシンでは、セキュリティキーがありません。こうした機種の場合は電源をオンしてからしばらくすると現れる図xx10のような自己診断画面において(この時点でLEDはFF5になっています)、左から二つ目のアイコン(キーボードを示します)が表示された時点で素早くF1キーを押します。これで図xx11のようなSMSのメニューが現れます。ここで「Boot」を選択するとブートデバイスの優先順位を設定する画面が現れますので、CD-ROMを最優先に設定することで、CD-ROMからの起動が始まります。
----- 図xx10: 自己診断画面 (08150016.jpg) ----- 図xx11: SMS(System Management Service)の画面 (08150022.jpg) ----- 図xx12: ブートデバイスの優先順位を設定する画面 (08150024.jpg) -----
CD-ROMからの起動が始まると、しばらくの間LEDが様々な値を表示した後、
****** Please define the System Console. ****** Type the F1 key and press Enter to use this display as the system console. (以下略)
という画面が現れますので、F1を押して先に進みます。更にインストール時に利用する言語を選択する画面が現れますので、そのままEnterを押して英語を選択しましょう。すると図xx13のようにインストールオプションを選択する画面が現れます。デフォルトのままインストールを行なっても良いですが、日本語機能をインストールする場合は、2を選択の上、現れた画面で「2 Primary Language Environment Settings」を選択した上で、言語として日本語を選択します。なおそのままでは「日付表示」、「システム言語」、「キーボード」がすべて日本語になってしまいますので、UNIX系のキーボードを利用している場合は、以下の順に設定してキーボードだけをお好みのものに設定するとよいでしょう。 なお日本語の文字コードとしてはEUCとSJIS(表示はJapanese(PC)となっています)が選択できます。
図xx13: Welcome to the Base Operating System Installation and Maintenance画面 >>> 1 Start INstall Now with Default Settings ← >>> が設定されている選択肢が現在選択されています。 2 Change/Show INstallation Settings and INstall 3 Start Maintenane Mode for System Recovery
図xx14: 個別の言語環境を設定する o Installation and Settings 2 Primary Language Environment Settings o Set Primary Language Environment 73 Create your own combination of ... o Set Primary Cultural Convention 42 Japanese(EUC) / 43 Japanese(PC) o Set Primary Language 12 Japanese(EUC) / 14 Japanese(PC) o Set keyboard 0 POSIX(C) keyboard / 25 English (United Status) keyboard / 52 Japanese(EUC) Alternate / 54 Japanese(EUC) Default / 55 Japanese(PC) Alternate / 56 Japanese(PC) Alternate
カスタマイズを行なった場合は、最終的に「0 Install AIX with the current settings listed above 」を選択してインストールを開始します。
インストールが開始されて、パッケージのインストールが始まると図xx16のように、パッケージのライセンスなどが画面に表示されていく画面になります。後はしばらく待つだけです。
----- 図xx16: インストール中の画面 (08110044.jpg) System Installation Time: 32 minutesやTasks Complete: 7x% といった表示を確認することができます。 -----
最終的にboot imageが作成されて図xx17のように電源を入れ直すように促す画面になりますので、セキュリティキーをNormal(OK)に戻してから任意のキーを押してマシンを再起動させます。
----- 図xx17: インストールの完了画面 (08110051.jpg) -----
再起動すると、引き続き図xx18のような構成アシストというGUIが起動してインストールが継続されます(注xx19)。以下各画面について簡単に説明します。
----- 図xx18: 構成アシストの画面 (configassist.bmp) ----- 注xx19: CUIでインストールを実行している時は、CUIで同様のプログラムが起動されます。なお、インストール終了後でも各々configassist、install_assist というコマンドで同じプログラムを起動できます。 -----
最後に次回の起動時に構成アシストを再度実行するかを聞かれますので、デフォルトの実行しないを選択しましょう。ここまでで一通りインストールが完了です。最終的に図xx20のようなログイン画面が現れて、ログインすると図xx21のようなCDEのデスクトップになれば、OKです。
----- 図xx20: AIXのログイン画面 (08100004.jpg) ----- 図xx21: AIXのデスクトップ (desktop3.bmp) -----
ここまででOSのインストールは一通り完了です。この状態でも別マシンにtelnetなどで接続できますので、最低限のネットワーク設定が行なわれています。以下では日常の管理を行なう方法などについて説明していきましょう。
なお、最新のAIX 4.3.3や5.1Lについては、オンラインマニュアル(注xx22)のサイトに大量の情報がありますので、個々の情報については、ここさえ参照していれば困ることはないと思います。
----- 注xx22: http://www.ibm.com/jp/servers/aix/library/online_manu.html -----
設定について説明する前に、シェルについて説明しておきましょう。AIXのデフォルトのシェルはkshになっています。kshでは、図xx23のようにhistoryコマンドとfcコマンドにより、過去に発行したコマンドを編集して再度実行させるヒストリ編集機能がありますので、kshを利用する時はこれを活用するとよいでしょう。しかし、bashやtcshと比べると対話的に使うシェルとしては見劣りすることは否めません。そのため、どうしてもという場合以外はbashやtcshをインストールして通常の作業は、それらのシェルで行なうことをお勧めします。ただし、rootのログインシェルは絶対に変更しないでください。rootのシェルを不用意に変更すると起動スクリプトが動作しないなどの致命的な問題が発生してしまいます。
----- 図xx23: kshのヒストリ編集機能 $ export FCEDIT=vi ← ヒストリ編集時に起動するエディタをviに設定 $ history 13 ls 14 man ksh 15 man sh $ fc 15 ← "man sh" という文字列を vi で編集後実行 -----
AIXの特徴の一つに、smitコマンドの存在が挙げられるでしょう。smitはhp-uxのSAMと同様にしっかりしたツールで、CUIでもGUIでも使え、このツールだけで通常必要とされるシステム管理はほぼすべてを行なうことが可能です。
もちろん直接コマンドを発行したり、ファイルを修正しても構いませんが、ちょっと管理したいという場合などは、smitを利用した方がよいでしょう(注xx24)。なおインストールの項で説明したように、最近のAIXではWebベースでの管理も可能です。しかし、Webベースの管理は以前のAIXではできないことに加え、実用的なWebベースの管理を行なうには、セキュリティ確保のための設定をいろいろと行なう必要がありますので、現状ではやはりsmitをお勧めします(注xx25)。
----- 注xx24: AIXのポリシーは、直接ファイルを編集せず、ファイルを編集するための専用コマンドを利用するというもののようです。例えばsmitが/etc/resolv.confを編集する際は、/usr/sbin/namerslvというコマンドで行なうようになっています。 このため、AIXのコマンドは非常に充実していますが、コマンド名や引数がAIX独自のものになっているため、はじめて使う際には迷うことが多いと思います。 ----- 注xx25: システム・マネージメント・ガイドの15章Web-based System Manager の設定と実行を参照してください。 -----
「smit」と入力すると、X Windowが利用できる環境ではGUIで、それ以外の環境ではCUIベースで図xx26のようなsmitが起動します(注xx27)。このように利用できるメニューなどにCUI版とGUI版とで差異はありません。
----- 図xx26: (smit1.bmp) CUI版でF1やF2キーが効かない時には、代わりにESC + 1やESC +2を試してみてください。 (smit-gui.bmp) ----- 注xx27: 端末のタイプはVT100互換である必要があります。 -----
後は、メニューを辿っていくことで、ソフトウェアのインストールやユーザの管理その他の作業が行なえます。ここではすべてを解説はできませんので、時間のある時にどのようなメニューがあるのかを確認しておくとよいでしょう。
また、smitで行なった作業のログが/smit.logに、実際に裏で実行されたコマンドが/smit.scriptというファイルにどんどんと記録されていきますので、スクリプトなどを作成したいがどういったコマンドを実行してよいかわからないという場合は、smitのメニューから操作しつつ、/smit.scriptを参照することで、実際のコマンドを確認することもできます。
図xx28: smit.script ファイルの出力例 # # [Aug 11 2002, 07:53:04] # x() { LIST= SET_A= for i in "$@" do if [ "$i" = "admin=true" ] then SET_A="-a" continue fi LIST="$LIST \"$i\"" done eval mkuser $SET_A $LIST } x id='1000' admin='true' home='/home/monyo' shell='/bin/csh' gecos='TAKAHASHI Motonobu' monyo 図xx31の画面から実際にユーザの追加を行なった際のログになります。このように毎回「x」という名前の関数を作成した上で、その関数を実行するという動作を繰り返します。
ネットワーク環境の設定は、直接ファイルを修正するか、図xx29のsmitの「通信アプリケーションとサービス」-「TCP/IP」から行なえます。インストールの項で説明した基本的な設定に加え、inetdの設定など一通り必要な機能は揃っていると思います。
----- 図xx29: TCP/IP (smit-net.bmp) (smit-gui-net.bmp) -----
バッチ処理を行なうのでなければ、ユーザの管理は、図xx30のようなsmitの「セキュリティとユーザ」から行なうのがよいでしょう。実際にユーザの追加を行なう場合の画面を図xx31に示します。このようにリソースの利用の監査やパスワード管理などが非常に細かく行なえる所が汎用機ベンダのIBMらしい所ではありますが、通常のUNIX的に利用するのであれば、特にそうしたところは設定する必要はありません。
----- 図xx30: セキュリティとユーザ (smit-user.bmp) (smit-gui-user.bmp) ----- 図xx31: ユーザの追加 (smit-user2.bmp) (smit-gui-user2.bmp) 後半部で非常に詳細なパスワード管理やリソース利用の制限が可能なことが確認できます。 -----
なおsmitは裏でmkuserやchuserというコマンドを呼び出して作業を行ないますので、このコマンドを直接呼び出しても構いません。しかし、これらのコマンドの文法は図xx32のような独自のものですので、見やすいものの慣れるのは大変です。
図xx32: mkuserコマンドの例 # mkuser id='1000' gecos='TAKAHASHI Motonobu' shell='/usr/local/bin/tcsh' monyo
AIXでもデフォルトでrootアカウントのリモートログインが有効になっています。無効にするには、smitの「セキュリティとユーザ」-「ログイン制御」から行なうか、図xx33のコマンドを実行してください。
----- 図xx33: rootのリモートログインを無効にする # chuser rlogin='false' root ユーザ毎に、リモートログインの可不可を制御できます。 ----
パーティションの管理は、図xx34のsmitの「システム記憶域管理」から行ないます。
----- 図xx34: システム記憶域管理 (smit-disk.bmp) (smit-gui-disk.bmp) -----
AIXデフォルトのファイルシステムは、jfsというジャーナリングファイルシステム(注xx35)です。このファイルシステムでは、動的なパーティション拡張が有効になっていますので、インストール直後は、図xx36のようにどのパーティションも最低限必要な容量しか確保されておらず、びっくりするかも知れません。必要になった時点で動的に拡張するのがAIXのポリシーになります。
----- 注xx35: ファイルシステムに対する操作をデータベースのようにすべてロギングすることで、万一不意の電源断などがあっても、ファイルシステム自身やファイルの整合性を保つファイルシステムです。 -----
図xx36: インストール直後のAIXでdfコマンドを実行した所 # df -k Filesystem 1024-blocks Free %Used Iused %Iused Mounted on /dev/hd4 8192 5192 37% 858 21% / /dev/hd2 368640 24788 94% 12960 15% /usr /dev/hd9var 8192 6212 25% 146 8% /var /dev/hd3 16384 15292 7% 27 1% /tmp /dev/hd1 8192 7888 4% 20 1% /home /homeや/varなどのパーティションは、8MBずつしか確保されていません。
ファイルシステムの容量をマウントしたまま拡張するには、以下のようにchfsコマンドを使います。
図xx37: chfsコマンドによるファイルシステムの動的な容量拡張 # cd / # chfs -a size=+8192 /home ファイルシステム・サイズが 180224 に変更されました
sizeの単位は、512Kバイトなので、上記は、512K x 8192 = 4MB分増加させる設定になります。なお、ファイルシステムの容量の縮小はできません。
この他にもjfsには、defragfsコマンドでファイルシステムをマウントしたままデフラグができるなどの便利な点があります。
パッケージのインストールは、図xx38のようなsmitの「ソフトウェアのインストールおよび保守」から行ないます。
----- 図xx38: ソフトウェアのインストールおよび保守 (smit-soft.bmp) (smit-gui-soft.bmp) -----
AIXのパッケージ(注xx39)の最小単位は「ファイルセット」と呼ばれ、パッケージ名は幾つかのシンボルがプリオドで区切られた形式になっています。例えばOS関連のパッケージ(AIXではバンドルと呼びます)は「bos.hogehoge」という名称になっていて、OS関連のものであることがわかるようになっています。もちろん多階層も可能で、例えば「X11.loc.Ja_JP」は、X11のロケール関連ファイルのうち、日本語の部分のパッケージになります。AIX用のCD-ROMであれば、CD-ROMを挿入した上で、smitから「ソフトウェアのインストールおよび保守」-「ソフトウェアおよび関連情報をリスト」-「メディア上のソフトウェアおよび関連情報をリスト」-「インストールメディア上のソフトウェアをリスト」と順に辿っていくことで、CD-ROMからインストール可能なソフトウェアの一覧と、現在のインストール状況を確認することができます。
----- 注xx39: AIXでの定義では、ファイルセットが幾つか集まったものをパッケージと呼んでいて、更にパッケージを複数組み合わせたものをバンドルと呼んでいますので紛らわしいのですが、ここではパッケージという言葉を一般的な意味でのパッケージとして使っています。 -----
AIXのパッチも、他の商用UNIXと同様に、無償で入手できるものと有償で入手可能なものとに分かれています。
AIX 4.3.3と5Lについては、1ヵ月毎にMaintainance PackageとしてOSの修正モジュールがリリースされていますので、これを適用した上で、必要に応じて個別のパッチ適用するというのが通常の運用になります。Maintainance Packageについては、以下の「pSeries Support(注xx40)」のページより、「Maintainance Level ...」というリンクを辿ってください。
----- 注xx40: http://techsupport.services.ibm.com/server/support?view=pSeries -----
個別のパッチについても各々ダウンロードすることが可能です。
ただし、事前にパッチの番号を確認しておく必要がありますので、事前にAPARのデータベース(注xx41)などで必要とするパッチを確認しておく必要があります。
----- 注xx41: http://techsupport.services.ibm.com/server/aix.CAPARdb -----
AIXにはコンパイラが付属していませんので、フリーソフトウェアのコンパイルが必要な場合はgccなどを導入する必要があります。最新のAIX 4.3.3と5Lについては、「AIX Toolbox for Linux applications(注xx42)」という名称でIBM自身からgccなどのフリーソフトウェアが配布されています。
----- 注xx42; http://www.ibm.com/servers/aix/products/aixos/linux/download.html (linux-toolkit.bmp) -----
パッケージはRPM形式になっていますので、事前に上記ページからAIX用のRPMをインストールする必要があります。
これ以外のサイトとして、以下のようなサイトが著名だと思います。