Windows QandA

Author : たかはしもとのぶ <monyo@home.monyo.com>

Windows XP がインストールされているパソコンに Windows 2000 をインストールしたい

質問

Windows XP Professionalがインストールされているパソコンがありますが、どうしてもWindows 2000 Professionalでないと動作しないアプリケーションがあるため、後からWindows 2000 Professionalをインストールしてデュアルブート構成にしようとしたところ、Windows XP Professionalが起動しなくなってしまいました。

先にWindows 2000 Professionalからインストールすれば自動的にデュアルブート構成になるのはわかっているのですが、このような場合は、どのようにすればよいのでしょうか?

回答

Windows NT系OSをインストールすると、図1のような起動するOSの選択画面が表示されるようになります。


図1: OSの選択画面

このプログラム(NTLDR)は、Windows NT系OSのインストールと共にインストールされ、ユーザが起動するOSを選択した後、そのOSのカーネルに制御を引き渡す役割を担っています。

問題の発生する原因自体は、後からインストールしたOSが先にインストールしたこのプログラムを上書きしてしまう点にあります。後から古いOSをインストールすると、図2のようにこのプログラムが古いOSがインストールしたものに置き換わってしまい、新しいOSのカーネルにうまく制御を引き渡せなくなってしまうのです。


図2: 後から古いOSをインストールした状態

ファイルのバックアップとリストアによる対処

ここまでの仕組みを理解していれば、問題となるファイルが置き換えられないようにすれば、この問題が発生しないということが理解できると思います。

実際のところ、置換えを禁止することはできないため、置き換えられるファイルをバックアップしておき、古いOSのインストール、起動後、ファイルを書き戻すといった対処を行います。 対象となるファイルは以下のファイルとなります。

古いOSのインストール前に、これらのファイルを古いOSから読めるところにやフロッピーディスクなどにバックアップしておきます。なおこれらのファイルはシステム属性がついているため、エクスプローラなどではデフォルトでは表示されない設定になっています。表示させるためには、図3のように、「すべてのファイルとフォルダを表示する」設定に加え、「保護されたオペレーティング システム ファイルを表示しない」設定を解除することも必要なので注意してください。


図3: システム属性のファイルを表示させる

なお、「保護されたオペレーティング システム ファイルを表示しない」設定を解除する際に警告ダイアログが現れますが、構わずOKを押します。

これらの設定を行うことで、図4のようにシステムファイルが表示されるようになります。


図4: バックアップ対象のシステム ファイルを表示する
色が薄くなっているのがシステムファイル

Windows NTとのデュアルブートには注意

ここまで説明した方法は、後からWindows NTをインストールしてデュアルブート環境を構築する場合にも基本的には適用できます。

ただし、Windows NTはとのデュアルブートではWindows NTの起動領域はディスク先頭から8GB以内のところにする必要がある他、NTFSを使用する場合には、必ずWindows NT SP4以上を適用する必要があるといった注意点があります。これらの点に注意しないと、最悪どちらのOSも起動しなくなってしまうという危険性もあります。

デュアルブートではライセンスにも注意

技術的には比較的簡単に行えるデュアルブートですが、マイクロソフト社の見解に従うと、ライセンス上は原則として、デュアルブート環境にインストールする各OS毎にライセンスが必要となるので注意してください。

今回のケースではWindows 2000 ProfessionalとWindows XP Professionalが各1ライセンスずつ必要となります。なおWindows XP Professionalを2つインストールするといった場合でも、Windows XP Professionalのライセンスが2ライセンス必要となりますので、注意してください。

ただし、この規定には例外があり、ボリュームライセンス経由で購入を行ったライセンス(SA(Software Assuarance)含む)については、1ライセンスあたり同一コンピュータに2つまでのインストールが認められています。 従って、今回のケースでも、Windows XP ProfessionalのボリュームライセンスやSAがあれば、これらで許諾されているダウングレード権を用いてWindows 2000 Professionalのインストールが可能となり、追加のライセンスは必要ありません。

注記・補足